JISは5年を越えない期間で見直しが行われます。JIS X0510「二次元コードシンボル-QRコード-基本
仕様」については今年2004年で1999年の制定より5年が経過しているため見直しが行われJIS X0510(2004)に
改定されました。
ここでは今回の改定に関してエンコード部分に関する主な変更点を確認していきます。
2004年版規格では新規用途・オープンシステムではQRコードモデル2またはマイクロQRコードが推奨される
旨の記述があります。そのためか1999年版規格では本文に記載のあったQRコードモデル1が2004年版規格では
付属書での記載となりました。また新たにマイクロQRコードが付属書に記載されました。
JIS X0510(2004)では用語が少し変わりました。ただし用語の英文表記は変わっておらず、逆に英語の直訳の
ような感じになっています。
主な用語の対比は下記の通りです。
JIS X0510(2004) | 英文表記 | JIS X0510(1999) |
---|---|---|
残余ビット | remainder bit | 剰余ビット |
残余コード語 | remainder codeword | 剰余コード語 |
構造的連接 | structured append | 連結 |
QRコードの内部エンコード方式のひとつに全てのバイナリデータをエンコードできる8ビットバイトモード
があります。このモードにおいて参考として以下のようなことが記述されています。以下要点抜粋。
使用する符号化文字集合は、QRコードを使用するアプリケーションで指定する符号化文字集合とする。
符号化文字集合がアプリケーションによって異なるとシステムが複雑になるので、国際的なアプリケーションはJIS X0201
ISO 8859-15,JIS X0211-1(UTF-8)の使用が推奨される。
各国国内に限られたアプリケーションではISO 8859の各パートの使用を、日本ではJIS X0201の使用が推奨される。
#個人的には明確に文字コードを指定する仕組みが導入されればよいと思うのですが..
いずれにしても一方でシフトJISに基づいた漢字モードがあって、もう一方では国際的なアプリではUTF-8を
推奨してたりと少しポリシーに欠けるような感じがします。UTF-8が世の中を席捲してしまえば問題は少ない
のでしょうが現実は...場合によっては問題をおこしそうです。
2004年版規格ではマスクの評価方法が少し変更されました。
特徴 | 評価条件 | 失点 |
---|---|---|
同色の行/列の隣接モジュール | モジュール数=(5+i) | 3+i |
同色のモジュールブロック | ブロックサイズ 2×2 | 3 |
行/列における1:1:3:1:1(暗:明:暗:明:暗)のパターン | 1:1:3:1:1比率のパターンの前又は後ろに比率4の 幅以上の明パターンが存在する。 | 40 |
全体に占める暗モジュールの割合 | 50±(5+k)%~50±(5+(k+1))% | 10×k |
マスクパターン参照子 | N1 | N2 | N3 | N4 | 失点合計 |
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000 | |||||
001 | |||||
010 | |||||
: | |||||
111 |
マスクパターン指示子 | QRコード | 備考 |
---|---|---|
000 | ||
001 | ||
010 | JIS X0510(2004) 付属書Gの結果 | |
011 | JIS X0510(1999) 付属書8の結果 | |
100 | ||
101 | ||
110 | ||
111 |
(おわり)