デジタルカメラ用シャッター同期アダプタ

last update: 2013-7-20
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0、いきさつ

 例えば流星撮影等で30秒を超える露出を連続で行う場合は、タイマーレリーズを 用いて放置状態にするケースが多いですが、複数台のカメラを使用する際に 個別にタイマーレリーズを用意すると、コストの面でも不利ですし、取り扱いの面でも やや面倒です。
 また同じ赤道儀に同架する場合は、露出中に他のカメラのシャッターによるショックも 僅かながら問題になるかもしれません。
 そこで、1つのタイマーレリーズを用いて、複数台のカメラのシャッターを同期する アダプタを作成することにしました。
 なお手持ちのカメラがEOS Kissなのでカメラ側は φ2.5mmステレオジャックを介したON-OFFの電気接点を想定していますが、同様の電気接点で 制御できるカメラなら他のカメラにも流用できると思います。

1、仕様

 今回のアダプタの仕様は以下の通りとしました。

1.電子レリーズ接点レベルでの同期。
 目的が流星撮影などの天文用途なので、あくまでレリーズの電気信号レベルでの同期とする。
 ※実際にシャッターがミリ秒単位で同期ということは要求しない。

2.最大4台までの同期
 四連儀を意識して、最大4台までの同期を実現する。

3.タイマーコントローラーおよび各カメラ間の絶縁の確保
 誤動作などを防ぐため、タイマーコントローラーおよび各カメラ間のレリーズ信号を完全に絶縁する。

4.電源
 5Vの電源を使用する。
 ※電源レスにできることにこしたことはないが、赤道儀や露よけヒーターなどと併用する場合が ほとんどなので、電源を確保可能と判断。

2、回路図

記号名称メーカー品番数量
J1φ2.5ステレオジャックマル信無線電機MJ-071H5
LED1LED(赤)--4
PR1PhotoMOSリレーPanasonicAQY212EH4
R1抵抗-220Ω4
R2抵抗-10kΩ1
Q1トランジスタ東芝2SC1815Y1

 当初は電源供給ラインを直接タイマーレリーズのスイチングに接続しようと 考えていましたが、タイマーレリーズ側の抵抗がタイマー駆動時は 数百キロΩと高く、物理スイッチ押下時は低くなり、 リレー部分に流れる電流をコントロールすることがやや困難でした。
 そこでトランジスタを介したスイッチングを利用することとしました。

3、完成品

 以下が完成品です。


 カメラ側への出力ですが、2台分はコネクタを省略して、φ2.5プラグ付ケーブルを直出しにしています。
 写真ではコネクタからは1台分のケーブルを出力してします。
 オートガイド用リレーボックスの基板を流用しているので、LED配置が十字になっています。ww

 電源コネクタはUSBのAコネクタオスでモバイルバッテリー等から電源供給できます。

 トータルコストですが、ケーブル類などのコストをあわせると、5千円くらいになりました。
 
 現時点の問題は消費電流が40mA以下と低いため、これ単体だとモバイルバッテリーの自動OFF機能が働いてしまうことです。  モバイルバッテリーの機種にもよりますが、手持ちの機材ではヒーターなどと併用して、モバイルバッテリーの負荷を上げる必要があります。


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